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子宮内膜症 |
子宮内膜とは
女性の性器は、生命を誕生させるという役割を担った臓器ですが、外側から見える部分の外性器と体内にある部分の内性器の2つに分けられます。子宮は、卵巣、卵管、膣などともに内性器の一部であり、子宮筋という筋肉からできている袋状の臓器です。 子宮内膜は、子宮の内側を被っている粘膜で、受精卵が着床(妊娠)したときに、栄養を与える役割を持っています。妊娠が成立しないときは増殖した子宮内膜は不要となってはがれ落ち、血液などと一緒に体外へ排出されます。これが月経です。 |
子宮内膜症とは
子宮内膜症は、本来であれば子宮の内側だけに存在するはずの子宮内膜組織が、卵巣や卵管など子宮の内側以外のところで発生して増殖する病気です。子宮以外の場所には、子宮内膜組織が排出されるところがないため、出血した血液はその部分にたまってしまい、様々な症状を引き起こします。子宮内膜症が最も多く起こるのは卵巣ですが、ダグラス窩(子宮と直腸の間のくぼみ)、仙骨子宮靭帯(子宮を支える靭帯)、膀胱子宮窩(膀胱と子宮の間のくぼみ)にもよく起こります(「窩」は「か」と読みます)。 その他まれにですが、へそや肺、胃や腸など、骨盤外に子宮内膜ができることもあります。 以前は、これらの全てを子宮内膜症と呼んでいましたが、現在では、「骨盤内に子宮内膜組織ができたもの」だけを子宮内膜症と呼ぶようになっています。 |
| 子宮内膜症は、20代後半から40代前半の卵巣機能の活発な時期に発生することが多く、月経周期のある人の10人に1人は、子宮内膜症であるといわれています。なお、閉経期を迎えると発生の頻度は急激に減少していきます。 また、現代の女性は「初潮年齢が早い」「出産回数が少ない」など、月経の回数が多くなっていることから、患者さんの数は増える傾向にあります。 |
子宮内膜症の原因
| 子宮内膜症の原因には、いくつかの説がありますが、今のところはっきりと解明されていません。 有力な説としては、「子宮内膜含んだ月経血の一部が、卵管を通って卵巣や周囲の臓器に移植される(子宮内膜移植説)」や、「卵巣を包んでいる皮膜や子宮や卵管などの臓器を包んでいる腹膜は、体腔上皮という共通の組織からできているため、これらの上皮が何らかの原因で子宮内膜に化ける(体腔上皮化生説)」などがあります。 |
子宮内膜症の症状
子宮内膜症の患者さんが訴える症状として最も多いのが、「月経時の強い痛み」で、約9割の患者さんがこの症状を訴えています。また、下のグラフのとおり、その他にも多くの症状があり、いくつかの症状を合併している患者さんも多くなっています。 子宮内膜症は、月経を繰り返しながら進行するため、月経の回数が多い人ほど病気が進行し、症状が重くなる傾向にありますので、下記の症状が年々ひどくなっている方で、病院に行ったことがない方は、婦人科や産婦人科を一度受診してみてください。 |
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日本子宮内膜症協会資料(2001年8月) |
子宮内膜症の分類
| 子宮内膜症は、子宮内膜組織のできた場所や状態によって、いくつかの種類に分けることができます。 病状が進むほど、痛みが強くなると思いがちですが、痛みの強さは子宮内膜症の種類によって異なります。また、症状が進んでいても痛みが少ない患者さんもいるなど個人差もあります。 |
【子宮内膜症の主な種類】
| ブルーベリースポット |
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| 卵巣チョコレート嚢胞(のうほう) |
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| ダグラス窩子宮内膜症 |
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子宮内膜症の診断
| 子宮内膜症は、診断の難しい病気です。通常は「問診」「内診」「超音波検査」「血液検査」までを行い、子宮内膜症かどうかを診断します(臨床診断といいます)が、卵巣チョコレート嚢胞が疑われる場合や、症状が重く手術が必要と考えられる場合には、「CT検査・MRI検査」「腹腔鏡検査」も行い、最終的な診断をくだします(確定診断といいます)。 |
| 検査等の種類 |
確認すること |
| 問診 |
初経年齢、月経周期や量、結婚や出産の有無、過去にかかった病気、飲酒や喫煙の有無や程度などが医師より質問されます。 |
| 内診 |
医師が手術用の手袋をつけて、片方の手で膣内に指を入れ、もう片方の手でおなかを上から押して、子宮の大きさや固さ、卵巣の大きさ、ダグラス窩の固さを調べます。 |
| 超音波検査(エコー) |
超音波を出す機械を使って、卵巣や子宮の様子を調べます。プローブ(超音波を送受信する器具)を膣に入れる方法(膣式エコー)と、おなかの上からあてる方法(腹式エコー)があります。 |
| 血液検査 |
血液内に含まれる「CA125」という物質の量を測定します。子宮内膜症の場合、この数値が上昇しますが、患者さんの中には数値が上がらない人もおり、あくまで補助的に行われます。 |
CT検査・MRI検査 |
体の断層写真をそれぞれX線(CT)、磁気(MRI)を使って撮影し、子宮と卵巣の位置関係や卵巣内の血液貯留の様子などを調べます。 |
腹腔鏡検査 |
全身麻酔をして、下腹部に0.5〜1cmの穴を開け、そこから腹腔鏡を入れて、おなかの中を調べます。 検査中に病巣がみつかった場合は、その場で摘出したり、レーザーメスで焼ききったりすることもできるため、確定診断の方法であると同時に、治療法の一つでもあります。なお、全身麻酔で行うため、3〜4日の入院が必要となります。 |
受診にあたっての心構え
1.問診にあたっては、次の項目について話せるよう準備しておいてください。 |
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2.内診を受けるにあたっては、次のことに注意してください。 |
| → | おりもの、出血などの状態がわからなくおそれがあるためです。 | ||
| → | 内診台に上がりますので、下着を脱ぎやすい服装(フレアースカートなど)が望ましいです。 | ||
| → | 受診がおっくうに感じるかもしれませんが、生理中に症状が強く出る場合、受診の機会として望ましいといえます。 |
子宮内膜症の治療法
| 子宮内膜症の治療法には大きく分けて薬物療法と手術療法の2つがあります。薬物療法も手術療法も様々な方法がありますので、病状の進行状態や妊娠の希望の有無などを踏まえ、患者さんのパートナーや家族の意見なども聞き、患者さんに合った方法を選択します。 |
| 子宮内膜症は、卵巣から分泌される卵胞ホルモン(エストロゲン)によって、病状が進行していきます。そのため、薬物療法では、卵胞ホルモンの分泌や働きを抑えるホルモン剤を使い、月経を一時的に止めて病巣を小さくします。なお、肝臓や心臓に病気のある患者さんや血栓ができやすい患者さんは、この治療法を受けることができません。 薬物療法には、体を閉経と同じ状態にする方法(偽閉経療法といいます)と、妊娠に近い状態にするピルを服用する方法(偽妊娠方法)の2つがあります。 |
【薬物療法の種類】
| 分類 |
薬の種類 |
飲み方 |
作用 |
副作用 |
| 偽閉経療法 |
Gn-RHアゴニスト |
点鼻薬:1日2〜3回 注射:4週間に1回 継続使用の目安は、いずれも6ヶ月間 |
月経を起こす女性ホルモンの分泌を止めて、閉経と同じ状態をつくります。 | 更年期障害のような症状(のぼせ、ほてり、動悸、めまい他) など |
ダナゾール |
内服薬:1日1〜2錠 飲む期間は通常4〜6ヶ月間 |
男性ホルモンと同じ作用を持っており、閉経と同じ状態をつくります。 | 体重増加、むくみ、血栓 症 など | |
偽妊娠療法 |
ピル |
内服薬:1日1錠 飲む期間は病状に応じて |
体のホルモンの状態を妊娠したときと同じ状態します。 | 体重増加、むくみ、血栓 症 など ※低用量ピルは、副作用が少ないです。 |
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薬物療法は、病気を根本的に治す方法ではないため、再び月経が始まると再発することもあります。手術療法は、再発を繰り返す場合や病状が進行している場合に行われます。 手術療法には、保存手術、卵巣機能温存手術、根治手術の3つがあり、病状や妊娠の希望の有無により、手術方法を選択します。 |
【手術療法の種類】 |
| 妊娠の希望 |
手術方法 |
内容、特徴 |
| あり |
保存手術 |
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なし |
卵巣機能温存手術 |
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根治手術 |
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| ※治療に当たっては、必ず専門医にご相談ください。 |








女性の性器は、生命を誕生させるという役割を担った臓器ですが、外側から見える部分の外性器と体内にある部分の内性器の2つに分けられます。
子宮内膜症は、本来であれば子宮の内側だけに存在するはずの子宮内膜組織が、卵巣や卵管など子宮の内側以外のところで発生して増殖する病気です。子宮以外の場所には、子宮内膜組織が排出されるところがないため、出血した血液はその部分にたまってしまい、様々な症状を引き起こします。
子宮内膜症の患者さんが訴える症状として最も多いのが、「月経時の強い痛み」で、約9割の患者さんがこの症状を訴えています。

