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パニック障害

 

パニック障害とは

パニック障害

 パニック障害(PD = Panic Disorder)とは、「前触れもなく突然、強い不安感に襲われる」「胸がドキドキして張り裂けそうになる」「原因不明のめまいがして座りこんでしまう」などの症状が現れたり、それらの症状を体験した後に「またあの症状が起きてしまったらどうしよう」という強い不安を感じたり、またそれらの症状が起こった場所や状況を恐れたりする病気のことをいいます。
 日本人100人のうち2〜3人がパニック障害の症状を経験しているともいわれています。男女の比率では女性の方がやや多いといわれています。
 パニック障害の患者さんの中には、うつ病を併発する方も少なくありませんので(うつ病について詳しく知りたい方はこちらへ)、パニック障害の疑いがある場合は、なるべく早めに専門医(精神科や心療内科)の診察を受けてください。


 

パニック障害の症状

【パニック障害に見られる3つの症状】

パニック発作
予期不安

広場恐怖

  • 動悸(心臓がドキドキする)
  • 呼吸困難
  • 発汗
  • めまい
  • ふるえ
  • しびれ
  • 恐怖感
  • 現実感の喪失
  • 「またあの発作が起きるのではないか」という強い不安感を抱く
  • 予期不安がパニック発作を誘発することもある
  • パニック発作の起こった場所や状況に恐怖を感じて避けるようになる
  • 人ごみ、電車・バス、車、飛行機などを恐れる
  • 一人での外出が困難になることもある
パニック発作
予期不安
広場恐怖

パニック発作

 パニック発作とは、なんの前触れもなく動悸・呼吸困難・めまい・発汗・手足の震え・吐き気などの身体症状が、強い不安・恐怖とともにあらわれることをいいます。
 これらの症状は、突然起こって10分以内に頂点に達します。それほど長くは続かず、通常は20〜30分の間、長い方でも1時間以内にはおさまります。

予期不安

 パニック発作を経験した後に、「またあの発作が起こったらどうしよう」という強い不安を持つことを予期不安といいます。
 さらに、予期不安がパニック発作を誘発することがあります。パニック発作への不安(予期不安)で頭がいっぱいになり、思考が悪循環のループにおちいってしまうような場合です。
 具体的には、「また発作が起こったらどうしよう」→「でもきっと起こるんだろうな」→「なんだか不安でいっぱいになってきた」→「ああ、やっぱり発作が起こってしまった」という具合です。
 予期不安によるパニック発作の誘発は、パニック障害の特徴の一つです。

広場恐怖

 パニック発作が起こった場所や状況に対して不安を抱き、そのような場所や状況を避けるようになることを広場恐怖といいます。
 広場恐怖の対象となる場所や状況は人によってそれぞれ異なりますが、一般的には、電車やバス、車、飛行機、エレベーター、歯医者、美容室、映画館、会議室など、人ごみもしくは一人きりになる場所、逃げるに逃げられない状況が多いようです。
 ちなみに広場恐怖の「広場」とは、ギリシャ語で「市場」「集会」などの意味を持つ「アゴラ(agora)」が語源であって、「広い場所で恐怖を感じる症状」という意味ではありません。
 広場恐怖はパニック障害の症状のひとつではありますが、パニック発作・予期不安のようにかならず起こるわけではなく、パニック障害の患者さんでも広場恐怖の症状が現れない場合もあります。

 

パニック障害の診断

パニック障害の診断-問診 パニック障害の原因は、はっきりと解明されているわけではありませんが、ストレスや脳内の伝達物質の動きに関連があるといわれています。また、過労や睡眠不足、かぜなどの身体的な悪条件が発症の誘因になるともいわれています。

 パニック障害の診断は問診を中心に行われます。
 アメリカの『精神障害の診断と統計の手引き』第4版(DSM-W)では、「予期しないパニック発作が繰り返し起こり、予期不安が1ヶ月以上続き、原因となるような身体的疾患が存在しない場合、パニック障害の可能性が疑われる」とされています。


問診では医師から以下のような質問をうけます。
  • パニック発作の症状について
  • はじめてパニック発作が起こった時について
  • 一番最後に起こったパニック発作はいつか
  • パニック発作が続く時間
  • パニック発作のきっかけ
  • パニック発作を経験した回数
  • 日常生活でストレスに感じているものはあるか
  • 既往歴
  • 家族構成・家族環境
  • 現在他に服用している薬はあるか
  • コーヒーやお茶、お酒などの摂取量

 パニック障害の診断にあたっては、心血管系の病気(血管に生じる病気)、呼吸器の病気、低血糖、薬物中毒、てんかんなど、パニック障害と同じような症状を引き起こす他の病気がないことを確認するため、尿検査、血液検査、心電図検査、脳波検査などの検査も行われます。

 

パニック障害の治療

パニック障害の治療には、薬物療法、認知行動療法、生活習慣の改善などがあります。

薬物療法
 治療法として多く用いられているのは薬物療法です。薬物療法では、パニック発作を抑えるのに大きな効果をもつ薬が用いられます。なお、パニック障害という病名で国(厚生労働省)に承認されている薬は2つしかなく(一般名:パロキセチン、セルトラリン)、患者さんの症状によってその他の抗うつ薬や抗不安薬も用いられることもあります。

【パニック障害の治療で一般的に使われる薬】

薬の種類

効果・特徴

副作用

抗不安薬
  • 不安や緊張を緩和する
  • 即効性がある
  • 即効性がある ・ 眠気
  • ふらつき
  • 倦怠感
  • 依存性がある
  • 耐性が付きやすい(効きにくくなりやすい)
三環系抗うつ薬
  • 抗うつ効果が高い
  • 薬価が安い
  • 長年の研究の蓄積がある
  • 副作用が強い
  • 便秘
  • のどの渇き
  • 眠気
  • 性機能障害
SSRI
  • 抗うつ効果が高い
  • 副作用が少ない
  • 吐き気
  • 眠気
SNRI
  • 抗うつ効果が高い
  • 副作用が少ない
  • 排尿障害
  • 性機能障害

認知行動療法

 認知行動療法は、予期不安や広場恐怖の原因となっている場所や状況に徐々に慣れていく、またもしも不安や発作が起こっても大丈夫だということを確認するなど、行動によって「誤った学習(認知)」を刷新していく治療法です。
 例えば、電車を不安に感じている患者さんが、知人につきそってもらって一駅だけ乗ってみる、少し不安だったけど乗ってみたら大丈夫だった、という具合に、行動することで正のフィードバックをすこしずつ獲得していきます。
 しかしながら、認知行動療法は一歩間違えると症状の悪化につながりかねないので、専門医の指導のもとで無理をせず慎重に行なう必要があります。


生活習慣の改善
 睡眠不足などの乱れた生活習慣や精神的なストレスは、パニック障害の治療の大敵です。生活習慣を改善し、ストレスをためないようにしましょう。 そのためにも規則正しい生活を送り、またそれぞれにあった気分転換の方法を見つけるとよいでしょう。

パニック障害の患者さんが集うコミュニティーのご案内

※治療に当たっては、必ず専門医(精神科や心療内科)にご相談ください。
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