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高脂血症

 

全く自覚症状がない高脂血症

全く自覚症状がない高脂血症 高脂血症とは、血液中の脂質(脂肪)、特にコレステロールと中性脂肪(トリグリセライド)が増えた状態のことをいいます。
高脂血症は痛くもかゆくもなく全く自覚症状がありません。
 総理府の調査によりますと、高脂血症についての感じ方は、糖尿病や高血圧症などの生活習慣病に比べ、怖い病気という感じ方を持つ人が少なく、わからないという人も多いという結果がでています。
 しかし、高脂血症は自覚症状がでた時には、すでに心臓や脳または下肢の動脈硬化が進み、突然、脳梗塞のような脳動脈疾患や狭心症、心筋梗塞などの冠動脈疾患を引き起こすため、高血圧と同様にサイレント・キラー(沈黙の殺人者)とも呼ばれている怖い病気です。

【意外と軽視されている高脂血症】

怖い病気とは思わない
少し怖い病気だと思う
非常に怖い病気だと思う
わからない
高脂血症についての感じ方
7.7%
38.9%
37.6%
15.8%
高血圧についての感じ方
7.8%
37.6%
52.5%
2.1%
糖尿病についての感じ方
5.8%
21.4%
71.0%
1.9%
「生活習慣病に関する世論調査」(平成12年2月総理府)より

高脂血症が招く合併症

高脂血症が招く合併症
 高脂血症とは、血液中の脂質(コレステロールや中性脂肪)が増えた状態で、血液の粘り気も増しています。この状態が長く続くと血管内壁に脂質が沈着し動脈の壁が厚く硬くなっていきます。(動脈硬化の進行)
 その結果、心臓では狭心症や心筋梗塞、脳では脳梗塞など命にかかわる恐ろしい合併症を招きやすくなります。
しっかりとコレステロールや中性脂肪の管理を行ない、これらの合併症の発症を予防しましょう。
 

高脂血症は、大きく2つに分類されます。

【原発性高脂血症】

現在、病気でもなく、また特に何か薬を服用しているわけでもないのに、コレステロールや中性脂肪が高く、原因が判明しません。
多くは、遺伝的な体質に原因があると考えられます。
【続発性高脂血症】
  1. 食事によるもの(高カロリー食、高脂肪食)
  2. 内分泌性によるもの(甲状腺機能障害ほか)
  3. 代謝異常によるもの(糖尿病、肥満症)
  4. 腎疾患によるもの(慢性腎不全他)
  5. 薬物によるもの(ステロイドホルモン、経口避妊薬、アルコールなど)

    などを原因とするものです。

 

動脈硬化の危険因子とは?

 動脈硬化を引き起こし、進行させるのは、様々な危険因子が絡みあっています。特に高血圧、高脂血症、喫煙は動脈硬化の3大危険因子と呼ばれています。危険因子は、生活習慣の改善で調整ができるものと、調整ができないものとに区分されます。

調整が可能な危険因子
調整が不可能な危険因子
生活習慣の改善で調整可能な因子
医療によって調整可能な因子
加齢
性別(男性)
遺伝性
アルコールの大量摂取・肥満 ・喫煙・ ストレス・運動不足
高脂血症・高血圧・糖尿病・高尿酸血症・痛風

動脈硬化の3大危険因子


食生活の変化の影響は?


高脂血症の原因 年々、日本人の間に高脂血症が増加している原因としてまずあげられるのが、食生活の欧米化です。下記の表からでも、昭和30年から平成7年の40年間で、エネルギー摂取量に占める脂質エネルギーの割合が大幅に伸びていることがよくわかります。なお、厚生省の第6次「日本人の栄養所要量」によれば、脂質エネルギー比率の望ましい比率は20〜25%とされています。


【エネルギーの栄養素別摂取構成割合の変化】

たんぱく質
脂質
糖質
昭和30年(1955)
13.3%
8.7%
78.0%
平成7年(1995)
16.0%
26.4%
57.6%
増 減
+2.7ポイント
+17.7ポイント
−20.4ポイント
「国民栄養調査」(厚生省)より


内臓肥満型は要注意

内臓肥満型は要注意
 肥満には、内臓型肥満と皮下脂肪型肥満というわけ方がありますが、動脈硬化との関連性が高いのが、内臓型肥満です。
 内臓脂肪型か皮下脂肪型かどうかを正確に診断するためには、腹部CT写真を撮影します。腹部CT写真を撮影する前に、身長と体重、ウエストの値から簡単に推定する方法もあります。 
 なお、詳しい検査と診断方法は、肥満症をご覧下さい。


閉経後の女性にとっても問題

 一般に男性は女性に比べ、動脈硬化になりやすいといえますが、女性も閉経後は注意が必要です。閉経しますと、血液中の脂質を正常に保つ働きをしていたエストロゲンと呼ばれる女性ホルモンの分泌量が激減するため、LDLコレステロールが増加し、動脈硬化へと進行していきます。近年、閉経を迎えた女性にとって大きな問題として骨粗しょう症が取り上げられていますが、骨密度とともに、コレステロールの値も定期的に測定することをおすすめします。

 

高脂血症の検査と診断の方法

 高脂血症かどうかは、12時間以上食事をとらずに採血し、血中の総コレステロール、悪玉コレステロール(LDL)、中性脂肪、善玉コレステロール(HDL)を測定し、それぞれの血清脂質の値によって診断を行います。


正常値
境界域
高コレステロール血症
総コレステロール
200mg/dl未満
200〜219mg/dl
220mg/dl以上
悪玉コレステロール(LDLコレステロール)
120mg/dl未満
120〜139mg/dl
140mg/dl以上

正常値
高トリグリセライド血症
血清トリグリセライド
150mg/dl未満
150mg/dl以上

 
正常値
低HDL血症
善玉コレステロール(HDLコレステロール)
40mg/dl以上
40mg/dl未満

 このように、 高脂血症はコレステロールと中性脂肪(トリグリセライド)、善玉コレステロールの測定した値によって、3つのタイプがあります。


 

高脂血症にならないための1次予防とは?

 高脂血症にならないためには、日頃からの生活習慣の積み重ねが大事です。長年の生活習慣はすぐには変えられないかもしれませんが、実行することによる効果はてきめんに現れます。しかも、これらの生活習慣は、糖尿病や高血圧の予防にも結びつきます。

高脂血症にならないための1次予防とは?

食事の面

  • 食事は1日3食きちんと摂る
  • 脂っこいものを控える
  • 就寝前に物を食べない
  • 間食は控える
  • 塩分を控えめにする
  • 食べ過ぎによる肥満にならない

その他

  • お酒を飲みすぎない
  • 喫煙はしない
  • 十分な睡眠をとる
  • ストレスをためない
  • 定期的な健康診断を受ける

 

高脂血症の治療はどのようにして行うのか?

 高脂血症と診断された場合には、放置しないで積極的に治療を受けることが必要です。高脂血症の治療の目的は、動脈硬化による病気が起こることを予防することですが、まず、食事療法と運動療法から始めます。食事療法と運動療法を行っても治療目標値に届かない時には、薬物療法に入ります。

食事療法 食事療法は高脂血症の種類によっても異なりますが、基本的なこととして下記の点があげられます。

【食事療法のポイント】

適切なエネルギーを摂取し、肥満を解消する。
標準体重を目指す。   標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22
中性脂肪を増やす原因となる過剰な糖質の摂りすぎやアルコールの飲み過ぎを控える。
間食で果物や菓子類をあまり食べない。週2回以上の休肝日を設ける。
コレステロールの多い食品を控える。
卵黄・レバー・ベーコン・たらこ・すじこなどは1回の量をおさえる。
コレステロールの吸収を抑える働きのある植物繊維の多い食品を多くとる。
いも・豆類・野菜・きのこ・海藻類を積極的にとる。
身体の酸化を防ぐ効果のあるビタミンA・C・Eを多くとる。
緑黄食野菜(ビタミンA)、野菜類 (ビタミンC)、植物油・種実類 (ビタミンE)をとる。
コレステロールや中性脂肪を低下させる作用のある大豆製品や青魚を多くとる。
大豆・納豆・豆腐・いわし・さんま・さばなどをとる。

運動療法 運動療法は、食事療法とともに高脂血症の治療には欠かせないものです。運動によって、血行が良くなると、中性脂肪や悪玉コレステロールの分解が活発となり、悪玉コレステロールが減って、善玉コレステロールが増えます。とくに、持続的に運動する習慣をつけると、太りにくい体質がつくられます。     
 しかし、抗酸化能力が衰え始めた中高年の人が、あまり激しい運動を始めると、体内に大量の活性酸素を生じさせ、全身の細胞、器官、組織がその活性酸素に攻撃されることになります。運動療法は、必ず医師に相談の上、始めてください。

【運動療法のポイント】

運動を始める前に医師に相談する。
特に、高血圧、糖尿病など、心臓の悪い人などは自己判断で始めることは避ける。
脂肪を燃焼させるために、12〜15分以上有酸素運動を行う。
有酸素運動の代表はウォーキング、水泳、サイクリングなどがある。
1回30分、週3回以上を3ヶ月続けると効果が出る。
自分の生活環境と趣味にあった運動を選ぶ。

薬物療法
 食事療法と運動療法だけでは治療の目標値に届かなかった場合には、薬物療法を行います。治療薬は、LDLコレステロールを減らす薬剤と、中性脂肪を減らす薬剤に分類されます。

【LDLコレステロールを減らす薬剤】

  • スタチン
  • 陰イオン交換樹脂
  • プロブコール

【中性脂肪を減らす薬剤】

  • フィブラート系薬
  • イコサペント酸エチル
  • エチルニコチン酸系薬


※治療に当たっては、必ず専門医にご相談ください。
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