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骨粗しょう症(骨粗鬆症)

 

骨粗しょう症(骨粗鬆症)とは

骨粗しょう症(骨粗鬆症)とは 骨粗しょう症(骨粗鬆症)とは、骨がスカスカになり骨折しやすくなる病気です。しかも、骨全体が弱まって骨折してしまうため、折れてしまった骨が元に戻るまでに時間がかかるようになってしまいます。また、骨折が原因で日常生活行動(ADL)の低下、さらには寝たきりになってしまうことが大きな問題となっています。 
 わが国の骨粗しょう症の患者さんは、女性が約800万人、男性が約200万人、合計1000万人と推定されています。これは、高齢化社会に伴ないさらに増加していく傾向にあります。

 女性は、ホルモンのバランスが大きく変化する閉経後、骨の量が急激に減るため、骨粗しょう症になる人の割合が高くなります。

 男性は、女性に比べると、骨粗しょう症になる人の割合は低いですが、加齢と共に腸管からのカルシウム吸収が低下するため、70歳を過ぎると骨粗しょう症になる人の割合が高くなります。

 
骨粗しょう症になる人の割合

 

骨粗しょう症の症状

骨粗しょう症になり、骨が弱くなることで次のような症状が現れてきます。
初期
無症状
骨粗しょう症の初期には自覚症状は全くありません。
進行期
疼痛(腰背部痛) 痛みの種類として、安静時の痛み〜不快感、前屈時痛、起坐位時の痛み、歩行時の痛み、寝返り時の痛みがあります。
骨折 骨折しやすい部位として、大腿骨頸部、脊椎、橈骨遠位端、上腕骨頸部、肋骨があります。
脊椎変形に伴う症状
  1. 前傾姿勢になるため体のバランスが不安定となり転倒する頻度が高まります
  2. 腹部膨満による食欲減退
  3. 食べたものが喉につかえるなどの胸焼け症状
  4. 急に起き上がれない、長距離歩行が困難、上を向いて安眠できないなどのADLの低下
  5. 身長低下 など

 

骨粗しょう症の種類は、大きく二つのタイプに分けられます。

1.原発性骨粗しょう症:原因がわかっていない骨粗しょう症
  なかでも圧倒的に多いのは、閉経を迎えた50代から70代までの女性に多い閉経後骨粗しょう症、そしてそれ以降の高齢者に見られる老人性骨粗しょう症です。
2. 続発性骨粗しょう症:原因がわかっている骨粗しょう症
  原因としては、(1)各種内分泌疾患 (2)胃切除 (3)ステロイド製剤の服用など数多くのものが知られています。

 

骨粗しょう症の検査

骨粗しょう症の検査には、大きく分けて2種類の方法があります。一つが骨密度測定といわれるもの、もう一つは胸・腰椎のX線撮影で
  1. 椎体骨折の判定
  2. 腰背部痛、低骨密度や円背、椎体変形・骨折をきたす疾患との鑑別診断
などに使用しています。
骨粗しょう症の検査

【骨密度測定法の種類と特徴】

検査方法

測定部位
測定方法

特徴

MD法 第二中手骨(人さし指) エックス線写真をとり、その濃度をアルミのスケールと比較して骨塩量を測定する。 検査が短時間で済むので、多数例のスクリーニングに適している。
SXA法 橈骨(腕)や踵骨(かかと) 測定部位にエックス線を照射して、組織の吸収率から骨密度を測定する。 現在はあまり用いられていない。
腰椎DXA法 腰椎 腰部に2種類のエックス線をあて、腰椎の骨密度を測定する。 骨量測定の標準方法である・ 脂肪などの軟部組織の影響を除外できる。
pQCT法 前腕骨 エックス線によるコンピュータ断層撮影法 単位面積あたりの真の骨密度をえることができる(r/p2)。
QUS法 踵骨(かかと) 足を水の中につけて超音波を当て、かかとの骨の状態を測定する。 超音波を使った測定法なので、妊婦の測定も可能

 

骨粗しょう症の診断

 背骨のエックス線写真と骨密度の2つの検査を行います。その結果、圧迫骨折があれば、それだけで骨粗しょう症と診断されます。圧迫骨折がなくても、骨密度が低い場合も骨粗しょう症と診断されます。
骨粗しょう症の診断
(日本骨代謝学会診断基準等より作成)

 

 

骨粗しょう症の治療法

 まずは、自分がどのような症状かを知ることから始めましょう。(骨粗しょう症の診断を参照)すでに、骨粗しょう症になってしまっている方は、食事療法・運動療法・薬物療法の3点で治療を行ないます。
 また、まだ骨粗しょう症になっていない方は、食事療法・運動療法を心掛けることによって骨粗しょう症の予防をすることができます。

骨粗しょう症の治療法-食事療法
 日常生活における、骨粗しょう症予防のための食事療法の基本的な考え方は栄養素を過不足なく摂取することです。 日本人の高齢者において、800r/日以上のカルシウム摂取でようやくカルシウム出納がマイナスにならないことがわかっています。
 更年期、老年期の骨密度減少を抑制するためには、最低でも800r/日以上のカルシウム摂取が必要です。また、カルシウムの吸収をよくするためにビタミンDの多い食品を組み合わせることも大切です。

骨粗しょう症の治療法-食事療法
 運動習慣を身につけ、適度に骨に負荷をかけてあげることが、骨密度を保ち骨折を予防するのに役立ちます。
 また、屋外に出て日光に当たることで皮膚から体内へのビタミンD産生を促すことができます。
 散歩(ウォーキング)や買い物に行くなどこまめに体を動かすことを心がけましょう。

骨粗しょう症の治療法-薬物療法
骨粗しょう症の基本的な治療法はあくまでも
  1. 食事で十分なカルシウムを摂る
  2. 運動をする
  3. 日光を浴びる
の3点です。しかし、骨密度が大幅に減少している人は、このような生活改善だけで骨密度を増やそうというのは無理があります。
 そこで、少しでも効果を高めるため、これらの生活改善と並行して薬による治療も行ないます。
骨粗しょう症の基本的な治療法は食事で十分なカルシウムを摂る

【薬物療法に用いられる薬】

治療薬

効果
副作用
ビタミンD3 カルシウムの吸収を増加させ、新しい骨を作るのを助けます。 胃部不快感、吐き気などの胃腸の調子をおかしくすることがあります。
カルシトニン 骨密度の減少を抑えて、背骨や腰の痛みを和らげます。 注射した後すぐに、顔のほてり、めまい、吐き気が起こることがあります。
エストロゲン 骨密度を増加させます。女性ホルモンの分泌が減少する閉経期の女性が対象となります。更年期に起こるほてり感などの症状にも効きめがあります。 性器出血が見られることがあります。また、乳癌になる可能性が若干高くなるとされています。
イプリフラボン 骨密度の減少を抑えます。カルシトニンの分泌を盛んにするほか、新しい骨を作るのを助けます。 胃部不快感、吐き気などの胃腸の調子をおかしくすることがあります。
ビタミンK2

骨密度の減少を抑えて、新しい骨を作るのを助けます。

胃部不快感、吐き気などの胃腸の調子をおかしくすることがあります。
ビスフォスフォネート 骨密度を増加させ、背骨の変形を起こしにくくします。 胃部不快感、吐き気などの胃腸の調子をおかしくすることがあります。

 

 

骨粗しょう症のポイント

 
【予防のための食生活の工夫】
一日三度の食事を欠かさない
  必須栄養素を充足するためにも三度の食事は大切です。
無謀なダイエットはしない
  やせすぎると骨量も低下します。
牛乳、チーズ、ヨーグルト、豆腐から一日二品は食べる
  800r/日を摂るためには、これらの食品は必須です。
スキムミルクの利用
  スキムミルクは効率よくカルシウムを摂取できる食品です。上手に利用しましょう。
ほうれん草より小松菜やチンゲン菜を
  ほうれん草には、カルシウム吸収を阻害する働きがあります。
酢で魚などの骨を柔らかく
  魚などの骨は酢で調理すると柔らかくなり、また吸収率も高まります。
嗜好品の取りすぎには要注意
  タバコ、コーヒーなどの嗜好品の取りすぎは要注意です。
 

骨粗しょう症の予備軍
 骨粗しょう症の予備軍とは、骨粗しょう症になる危険性の高い方のことを指します。では、どのような方なのでしょうか?
 骨密度が低い方(若年女性平均骨量(YAM)の70〜80%)はもちろん、最大骨密度の低い閉経前の女性、閉経周辺期に急速な骨減少を生じている女性などがあげられます。
 また、骨粗しょう症の危険因子を有する方は、骨量測定値が若年女性の平均骨量(YAM)の90%以上である場合でも、将来の骨量減少に備えた心構えが必要になってきます。

妊娠すると骨が減る?

 骨量を維持するには女性ホルモンが重要です。妊娠すると胎児にカルシウムが移行しますが、女性ホルモンは通常の10〜20倍の高い値になり、体重も10キロぐらい増えるため、妊娠の時期は骨量が増えるといってよいでしょう。
 お産直後は閉経レベルまで女性ホルモンが下がるとともに、長期にわたる授乳でカルシウムを喪失するので骨量が減り、トータルでは妊娠・分娩・授乳時期の骨量は不変といえます。

ダイエットにちょっと待った!

 痩せて綺麗に見せたいというのは、多くの女性の願望でしょう。しかし、最近の若い女性に多い無謀なダイエットは要注意です。
 10代は、骨をどんどん作っていかなければならない時期。また20〜40代は一生で骨量が一番多くなり、それを減らさないように維持しなければならない時期です。
 その時期に、骨に必要なカルシウムが十分摂取できないばかりか、極端なダイエットのせいで生理が止まり、ホルモンのバランスを崩すようなことがあれば、若くても骨粗しょう症や骨粗しょう症予備軍になる危険性が高まります。
 外見は綺麗に痩せても、内側の骨がボロボロでは「真の綺麗」とはいえません。健康的な美を求めて極端なダイエットは控えましょう。

※治療に当たっては、必ず専門医(整形外科など)にご相談ください。
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